映画

ジョーン・ベイカー監督の映画:Starletはおもしろい。ラストの解釈は人それぞれ、創造してOK!

何気に見た映画「Starlet(邦題:チワワは見ていたポルノ女優と未亡人の秘密」が良かったのでご紹介したいと思います。そして、この映画は見た人がそれぞれ様々な解説をしているから尚おもしろい!
映画はかなりの数を見ていますが、はっきりと「あぁ~なるほど」とわかるものと、あれ?と消化不良になる映画がありますが、この映画は最後にあれ?何?今の・・・と消化不良になります。
「モヤモヤを解消するために」ネットで検索をするひとも多いのではないでしょうか~?最後に考える、ジョーン・ベイカー監督が本当にうまく作ったと思う映画です。これが狙いなのか?わかりませんが、私なりにこの良い映画の解説したいと思います。

私が思う良い映画とは「感動する映画。何か訴えかけるものがある映画。新しい気づきがある映画、そして観た人がそれぞれ想像する映画」だと思うんです。

映画は人それぞれ感想が違います。解釈も違ってきます。見る人によって感じ方が違うので本当に面白い!

モヤモヤを解消したい方は読んで下さい。

 

 

STARLET  (評価:★★★★☆)
(邦題:チワワは見ていたポルノ女優と未亡人の秘密)

原題:STARLET

製作年:2012年

制作国:アメリカ / イギリス

上映時間:103分

監督:ジョーン・ベイカー

出演:ドリー・ヘミングウェイ / ベセドカ・ジョンソン / ステラ・マイーフ / ジェームズ・ランソン

 

タイトル:starlet 意味


小さな星、スターを約束されている女優、売出し中の女優 
という意味だそうです。

原題はSTARLET(スターレット=愛犬の名前)
ジェーンはスターを夢見て愛犬にこの名前をつけたのかわかりませんが、名前を先に決めて、保護施設から受け入れたオスのチワワ。

 

STARLET あらすじ

 

21歳のジェーンは愛犬のスターレットと共に、友人メリッサとヒモ男のマイキーとシェアハウスを始めた。
ある日ジェーンは殺風景な部屋を模様替えするために買い出しに行き、ガレージセールで小洒落た魔法瓶を見つけ、花瓶として使おうと購入する。

部屋に帰って花を魔法瓶に飾ろうとすると、魔法瓶の中から丸めて輪ゴムで束ねた札束が約1万ドル入っていた。
このお金を返すかネコババするか迷った末、売り主で85歳の老女セイディーの元へ行くが『返品は受け付けていない』と言い張って取り合ってもらえない。

ジェーンも本当の事を中々言い出せない、だが着服するには良心が咎める。
これをきっかけにジェーンとセイディーとの奇妙な交流が始まるのだった…

 

※ここからはネタバレです。まだ観ていない方は映画をみてから読んだほうがいいです。

 

スターレットのモヤモヤを勝手に解説

 

★魔法瓶のお金
いろんな意見があると思います。もちろん、映画は自分の中で勝手に想像していいと思います。
セイディが隠したまま忘れたお金なのか?夫がギャンブラーで隠したままのお金なのか?
現実的な考え方だと、男性は魔法瓶にお金をまず隠さないでしょう~だから、このお金はセイディが隠したものではないでしょうか。

そして、夢のある考え方からすると、セイディが隠していて夢を託したお金。
私はこのお金はビンゴ大会で勝ったお金を手を付けずとっていたのでは?なんて思ってしまいました。

 

★チワワがいなくなったときのセイディー

この作品で最もセイディーの感情が揺れ動く、チワワが脱走してしまうシーン
チワワを預かって、ふと目を話した隙きにチワワがいなくなり必死に探すセイディー、居なくなったものを心配して探し回るという行為そのものが、ラストで明かされる悲しい過去を彷彿とさせて、セイディーの気持ちが大きく揺れ動いた様に思えます。

セイディーは、これが原因でジェーンも自分のもとを去ってしまうかも知れない・・・と思ったのではないでしょうか。
再び『大切な人を失う』ことの恐怖によって、セイディーはジェーンを自分から先に拒絶してしまった。

このチワワ(スターレット)がセイディーとジェーンをつないでいるように思えたのでしょう。

 

★なぜ?ポルノ女優なのか?

この映画のレビューなんかをみると別にポルノ女優でなくてもいいのでは?というコメントがよく見られます。
この映画の表紙に記載してある「未来の見えない21歳、過去の見えない85歳・・・」と書いてあります。

ここから想像するとスターを夢見て頑張っていたが、先が見えず今はポルノ女優をしている・・・。監督は何のお仕事でも与えられた仕事を頑張っていれば光が射すかも~みたいな感じですかね???
これが、教員とか看護師ではこのお話はないでしょう。。。やはり一歩間違えれば落ちぶれる(薬とか…)、ギリギリのところをポルノ女優と表現したのではないでしょうか?

 

★夫はギャンブラー

夫は心臓発作で亡くなっている。本当にギャンブラーなのか?

人それぞれ考え方は自由なのでこれはこれでそのまま理解していいと思いますが、私の想像では・・・

ジェーンはビンゴ大会に行き「私が勝ったらパリに行く」と勝手に言い出し、売店ですべてのビンゴシートを買って、懸命にスタンプを押しまくりますが、ここでまさかのセイディがビンゴ!
私はセイディがギャンブラーなのでは?と思ってしまいました。そしてお金は腐るほどある、使い切れないくらいお金はあると言っていたのも頷けます。セイディがギャンブラーかも?

まぁ~想像ですが・・・自由に解釈していいと思います。

 

 

★意味深いラストのシーン

FRANK PERKINS
Loving Husband and Father
1920-1971

 

そのまま翻訳すると、フランク・パーキンス
夫で父を愛しています。1920-1971(51歳で亡くなっています。)


 

SARAH PERKINS
Beloved Daughter
1951-1969

サラ・パーキンス 最愛の娘 
1951-1969 (18歳で亡くなってます。)

 

この映画のラストで、セイディーはお墓に生けるお花を貴女が早いから持って行ってとジェーンに言いました。ジェーンは飛行機に乗り遅れないように自分が持っていったほうが早いと思いお墓に行きます。
そして・・・墓は夫のお墓ですが(夫で娘の父)、隣は娘の墓・・・・・

まず、セイディーは、子供は居ないと答えました。何故居ないと言ったのか・・・・・

 

道路脇に停めた車でジェーンを待つセイディーとチワワ。セイディは二度ジェーンをみつめます。一度目のあと車窓越しに彼女を見つめていたセイディは視線をそっと正面へずらす。反射する太陽の光に包まれジェーンは少し立ち止まって考えた後、老女の待つ車へと歩いていく。このシーンはふたりの関係性が変わっていくことを示していますが、その先は誰にも分からない。

 映画の最後に観客に与えられた解釈の自由 

 

 

主人公はセイディーに母親を!そして、セイディーはジェーンに娘を!心のどこかで感じていた。互いに詮索せず立ち入らず、それでも心は通じていた・・・
そして、ラストにセイディーが本当のことを伝えた・・・ジェーンもその思いが伝わり二人の絆が深まっていく。

 

★この映画の素敵なところ

 

撮影がとっても自然で美しく素晴らしい!日光の日差しが当たるところがとても美しく表現できていて、誰にでも陽は射すと伝えていると感じがしました。ショーン・ベイカー監督の映画は色がとてもきれいです。

ストーリーの中で意表を衝く展開や大げさな身振りなどは一コマもなく淡々と進行し、ダレや間延びはない。
派手な演出もなく、それでもジワジワと感動しいろんな想像をしている自分がラストにいました。

ショーンベイカー監督はカメラワークというか、ワンショットワンショットがよく考えられていてセンスがあると思います。この映画の色~大袈裟に表現するするわけではなく、ナチュラルに表現している。最後のジェーンに日差しがあたるところが自然で美しい。

そして、この映画の最大の良いところはみんなが想像しているということではないかと思います。
あのあとどうなったんだろう?と想像しませんでしたか~

車の中は無言・・・そして、飛行機の中で二人でいろんなお話をして二人の関係がもっと近くなり、パリでは本当の親子になり、そしてロスに戻ってきて一緒に住んでいる~

素敵な映画です!

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